こんにちは、グラフィックデザイナーのyoen(@yoen)です。
以前からこのブログではTAC値の記事を種類別に書いてきました。
そこで今回は、足りていなかったオフセット印刷時の注意点を追加してまとめてみたいと思います。
画像のTAC値の処理やイラレ上での注意点、オーバープリントなどです。基本をおさえればやる事は一緒ですのでさっそく見ていきましょう。
TAC値の下げ方を印刷別にまとめました
そもそもTAC値(UCR)とは
TAC値とはインクの粘度、総容量の事です。後述しますが、CMYK全て使用すると400%となりますが、全て使える訳ではありません。
UCRはCMYの掛け合わせのグレーになる部分をある程度Kに置き換える事を言います。インクの使用量を制限するので考え方はTAC値と同じと思っても大丈夫です。
インクの使用量
印刷はCMYKの4種類のインクで刷りますが、それぞれが100%で合計400%(最大濃度)色が使えます。しかし、インクを400%全て乗せてしまうとインクがズレてしまったりインクがほかの紙に写ってしまうなど、事故につながってしまうので事実上400%は使えません。
そこで印刷の種類や紙(折り込みチラシや雑誌広告、新聞広告、パンフレットなど)により最適なTAC値が決められているのです。
TAC値の下げ方
ここに記す方法はあくまでもTAC値(UCR)を調整するためだけのものです。色の仕上がりに厳しい画像は製版などプロに相談して任せるのが最適です。
カラー設定を使い分ける
基本は、Photoshopのカラー設定を使ってTAC値をコントロールします。
それぞれ、印刷方法によりTAC値の上限が決められているのでそれに合ったプロファイルを適用していきます。またはご自分でプロファイルを作成する事も出来ますので以下を見ていきましょう。
カラー設定はRGBから変換してはじめて効果が反映されますのでCMYKになっているものは一度RGBに戻してからCMYKに設定し直しましょう。
オフセット印刷
オフセット印刷のTAC値は基本350%です。オフセットであまりTAC値を気にした方はいないのではないでしょうか。
これはPhotoshopのカラー設定が「プリプレス用-日本2」や「一般用-日本2」になっているかと思いますが、その作業用スペースのCMYKが「Japan Color 2001 Coated」になっているからです。
「Japan Color 2001 Coated」自体のインク使用量が350%に設定されているので基本、考えなくてもTAC値が抑えられています。
雑誌広告
雑誌広告ではTAC値が320%以下になります。雑誌広告はTAC値がシビアになっているので以下を読んで作業してください。
新聞広告
新聞広告のTAC値は新聞社によって違いますが、大体240%です。この数値を守って作ればほとんどの新聞社でクリアーされるので問題ないと思います。
新聞に関してはUCRが使われています。以下の記事の中でカラー設定の作り方も解説していますのでご覧になってください。
注意点
画像のTAC値を抑えても
画像のTAC値を無事に抑えられてもイラレでの作業で、結果オーバーしてしまう事があります。
画像の上でオブジェクトにフィルター(乗算など)をかけたり、イラレの素材集などからオブジェクトを持ってくるとたまにTAC値をオーバーしたものがあったりと様々です。
イラレでの注意点をまとめていますのでご覧ください。
上記のイラレでの対処法も効果のなかった人向けに以下の記事も用意しましたのでど〜〜してもダメだという人は読んでみてください。
オーバープリント
スミ文字などK100のオブジェクトをノセにする機能です。こちらも気をつけないといけません。画面上ではわかりづらいので意識しましょう。
まとめ
いかがでしょうか。入稿先によってTAC値の数値も色々変わってくるので大変ですが、頭のスミにおいておくといざという時便利です。
最後に、TAC値は画像の色を変えてしまうものです。上記の変換方法で色が変になってしまう場合もありますので一番はプロにお願いするのが良いと思います。
それでは、よきデザインライフを。
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